【宝を探せ!~天界の秘宝~】


6.その後

 ラファエルは時計を見た。朝七時。昨夜そのまま泊まった二人は、まだ床で毛布に包まっている。自分一人だったら朝の散歩に行くとか、いろいろできることはあったのだが、一応客がいるのだ。行動は制限される。
 しかし、じっとしているのもつまらない。ふと思い立って、ラファエルは棚にしまった箱を取り出した。誕生日プレゼントのオルゴールである。二人がまだ眠っているのを確認して、ゆっくりネジを巻く。中は小物入れになっていて、巻きながら何を入れるのに最適か考えてみる。だが、答えが出る前にネジは巻き終わっ た。
 指を離す。すると小さいが繊細な音色が流れだした。鈴が鳴るような、澄んだ音だ。面倒ばかり起こす奴だと呆れることも多々あったが、センスだけはまあまあいい。いい物を貰った。ラファエルは少し微笑む。
「……ん、むぅ…」
「っ」
 ラファエルは慌ててネジに布を噛ませて回るのを止めた。そして、急いで棚に戻し、台所へ向かう。続きは今度にしよう。そう自分に言って、二人の朝食作りに取り掛かった
「ラファさんったら、ツンデレなんだから」
 毛布の中で、アザゼルは笑いながら小さく呟いた。

おわり。


セツリ様、ほのぼの可愛らしい作品をどうもありがとうございました☆



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