用語集【あ】
愛のストーンサークル
かつて帝王サタンがリリスにプロポーズを行った場所として知られている魔界観光名所の一つ。帝王夫妻にあやかって此処でプロポーズを行えば必ず成功し、いつまでも仲睦まじくいられるとのジンクスがある。
詳細:
荒れ地の真ん中にポツンと位置するこの場所は言い伝えを知らない者から見ればただサタンの頭の形ピッタリにボッコリと穴が開いて左半分が砕かれている岩の壁とその周囲を人工的に放り投げられたことは明らかといった感じに大きな岩の欠片たちが散乱しているだけの何もないところである。
しかし言い伝えを詳しく知っている者から見れば微笑ましくて堪らない場所なのだ。
何故ならこのストーンサークル、プロポーズの際にテンパったサタンがまず岩に渾身の頭突きをした挙げ句にいざプロポーズが成功するや興奮極まって先程頭突きした岩の左半分を今度はパンチ一発で派手に粉砕しぃの、その砕けた大きな岩たちを「やったやったー!!」と言いながら持ち前の怪力で遠くに放り投げ出したせいで出来上がったものだからだ。
後に二人の間に生まれたルシフェルもこのエピソードは大のお気に入り。自分もそんな不器用ながら心のこもった真っ直ぐなプロポーズを受けてみたいと強く夢見ている。
悪
敗者が背負う不名誉な称号。神は有害なものを指す「悪」の字に善行を妨げる「魔」を足して反逆戦争で敗北した者たちを「悪魔」と称した。
悪魔
神に見捨てられた地にて三大魔王の加護のもと独自の繁栄を続けた種族のこと。元々は反逆戦争に敗北して最下層の世界(魔界)に堕とされ変わり果てた天使たちを指す名称。 悪魔たちの見た目は反逆戦争に失敗して堕天したばかりの当初「天界から堕ちたショックで髪の色が抜けたり耳の形が歪んじゃったりしたのかな~」と誰もが呑気に構えていたが実際は神が罰として人型の身体を得る前のレヴァイアを模して与えたものだと判明した。しかし悪魔たちは「むしろ光栄だ」と大いに喜んだという。
のちに悪魔から加護を受けて堕天した天使や悪魔に魅入られて加護を受けた人間たちも悪魔へ部類されるようになった。
外見:
主に「色褪せた姿」と称される。髪色は銀、または黒。瞳は天使だった頃のままに金色であることが多い。背中の翼は漆黒か羽が抜け落ちたコウモリ型。耳は尖り犬歯は獣の如く鋭く稀に頭のてっぺんにツノを有している者もいる。
外見年齢は人間でいうところの25歳前後を維持。なお「俺ちょいワル親父になりたいわ~」などと思ったらファッションで壮年になることも可能。もちろんちゃんと元にも戻れる。ついでに一応子供になることも可能だが、そっちはわざわざ小さい服を用意するのが手間なので滅多にいないようだ。
能力:
神の守護から外れているものの生まれ持った高い潜在能力と三大魔王の守護により殆どの者が絶大な力を誇る。また身体の再生能力も高く身体の95%もしくは心臓部に致命傷を受けない限り死に至る事は無い。
階級:
悪魔たちの間には目上を敬い己の立ち位置を謙遜する心から自然と出来上がった三つの階級名称がある。
王:
常に軍を導き守護しているサタン、バアル、レヴァイアが属する地位。サタンの嫁リリスと娘のルシフェルも魔界の住人たちからは王に属する者として慕われている。
貴族:
主に大きな力を誇り悪魔軍の戦士として活躍する者が属する地位。特に力の秀でた者は「上級貴族」と称される。アスタロテ、アスタロト、煙草屋がそれ。
一般市民:
戦闘能力に乏しい代わりに商業や農業の充実などに尽力している者たちが属する地位。悪魔の6割がこの地位にいる。
ネタバレ要素を含む余談
反逆の意に大きく賛成していた者ほど身体が派手に変異した傾向にあるらしい。ツノまで生えてしまったロテとロトがその良い例。
祈り
本来は人知を越えた存在に救済を願うことを意味するが破葬神話における祈りとは「個々が胸に抱く強い想い」のことを指す。そもそも彼ら自身が人知を超えている存在ゆえに。
芋虫
翼を持たず自力での飛行が出来ない者を揶揄する言葉。大体ルシフェル、カイン、バアル、リリスが天使側によくこれを言われる。
上手くいかないことばかり
破葬神話に登場する年長組の口癖。特に神様はこの愚痴をこぼす回数がダントツで多い。本当に上手くいかないことばかりですもんね……。
王
何かの頂点を極めている者を指す敬称であり魔王バアルの通称でもある。「私は決して神には成れないが王には成れる」これが彼の口癖だ。「王ゆえに私は私の崇拝する希望以外に頭を垂れはしない」ともよく言っている。
終わり
その先が無いこと。最後。終焉。闇。果て。始まりの反対。三人の神が永劫の眠りにつくこと。