Character
悪魔軍
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ルシフェル(Lucifer)
本編主人公。愛称はルーシー。魔界を治める若干16歳の女帝(第一章では13歳)。魔法能力には長けるが肉弾戦はまるでダメという典型的な魔法使いタイプ。
気の強そうな外面や荒っぽい言動とは裏腹に些細なことで心を痛める繊細で優しい少女。
13歳の頃、瀕死の重傷を負った両親たっての願いでその残り僅かな命を喰らい、全てを継承して女帝の座に就いた。だが異質な存在であった父親から継いだ膨大な力は悪影響も強く、女帝の座に就いてからは時折記憶の混濁が起こり、自分自身を見失うことがある。
ちなみに。年の差も気にせずカインに物凄く惚れている。
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カイン(Cain)
本編の準主人公。この世界に生まれた一人目の人間。その誕生こそ歓迎されたが、とある理由で実の弟を殺したことにより創造主から強く呪われ、地下深くの牢獄に囚われて凄惨な拷問を受けながら途方もない年月を過ごした大罪人。
その長い長い牢獄生活の影響で痛覚は完全に麻痺し、黒かった髪は全て白く色褪せた。
無痛覚なうえ不死に近い身体を持っているため、常に無茶しがち。そのせいでルシフェルにいつも説教される。
なお、牢獄生活が長かったせいで世間一般の知識はほぼ皆無。加えて好奇心旺盛。それゆえ作中では読者の皆さまに代わって逐一「これって、なに?」と破葬神話界のことを色々と仲間に尋ねる役目も担う。
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ミカエル(Michael)
破葬神話の癒やし担当。粗暴な父親とは似ても似つかないフニャフニャした雰囲気が持ち味の中性的なお兄さん。普段は「なによん」「やめてよん」といった気の抜けた独特の口調で喋る。けれども気の強さだけは父親に似たらしく、常に揺るぎない信念を持って行動する。
正式な堕天を免れながら悪魔軍に加担する唯一の天使。なぜ創造主から見限られずにいるのかは本人も「なぜなのん?」と不思議がっている。
ちなみに、魔王バアルを病的に尊敬し過ぎている一面も。いわく、出会った瞬間に心底惚れたらしい。
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バアル(Baal)
三大魔王の一人。先代より帝王に代わって魔界の政治を行っている事実上魔界の統領。希望の概念を抱えるサタンと絶望の概念を抱えるレヴァイアを盲信し、支え続けてきた存在。
彼の女性と見紛う妖艶で美しい容姿と細身な身体を目の当たりにした者は例外なく息を呑み、魅了されるという。また、周囲からの信頼も厚く、戦地では卓越した判断力と広い視野を活かして軍を指揮。肉弾戦を得意とする凄腕の格闘家でもあるため、いざとなれば前線でも身を削って活躍する。
といった感じで一見するとまるで非の打ち所がない男なのだが、とにかく気難しいのが玉にキズ。一度怒ると手がつけられず、相棒である破壊神レヴァイアにさえ「怖い。バアルはマジで怖い」と恐れられている。
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レヴァイア(Levia)
三大魔王の一人。『終わり』や『絶望』といった負の概念を司る神のような存在であり、最強の称号を背負うに値する男。純粋な殴り合いで彼に勝てる者はいない。創造主から最も目の敵にされている存在でもある。彼の如何にも異質な存在を思わせる三白眼と猫の目にも似たアーモンド型の禍々しい黒目は堕天以前からのもの。他とは一線を画する複雑な生い立ちの名残。
普段は陽気で面倒見の良い兄貴分。仲間に絶品の手料理を振る舞うのが趣味。
本気になればいつでも世界の全てを跡形もなく破壊できるため、そのタイミングをずっと待ち続けている。
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サタン(Satan)
外伝主人公。ルシフェルの父親で三大魔王の一人。この世の生を全て把握している希望を担う神のような存在であり、創造主の圧政に業を煮やして反逆戦争を起こした張本人。堕天後も魔界の帝王として多くの民を導いた存在である。
破葬神話の熱血担当。しかしながら病的なほどポジティブな反面、酷く繊細な一面も有している。で、この性格は娘に見事なほど引き継がれてしまった。
愛妻家だったことでも有名。生涯、妻の前では恥じらいを忘れなかったとか。おかげで「頻繁にほぼ惚気なクッソどうでもいい恋愛相談を受ける身にもなれ」とレヴァイア談。何かあるとすぐレヴァイアに相談していたらしい。
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リリス(Lilith)
外伝の準主人公。この世界に生まれた一人目の人間の女であり、サタンの妻でルシフェルの母親。破葬神話の元気印。主要キャラクターの中で唯一の常識人、かもしれない存在。強い意思と真っ直ぐな心でメンタル虚弱な三大魔王の危機を何度も救った功労者。
ただしお節介が過ぎることも多々。励ますどころか逆に三大魔王の心の傷を豪快に抉ったこともある。それでもみんなに愛されたお姫様であり、この愛され気質はしっかりと娘にも遺伝した。
生涯に渡って夫一筋と思いきや、実は初恋の相手は別の男だったりする。
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バズー(Bazu)
身体は子供、頭脳は大人な破葬神話のチビっ子担当。こう見えて21歳(第一章登場時は18歳)。姉のデイズとは双子の姉弟。一方が怪我をしたらもう一方も同じ怪我を負うほどに一心同体な繋がりを持つ。
我の強い女性陣と世間知らずな兄貴分に振り回されてばかりな苦労人。だけど本人も子供っぽい性格で周りに多少迷惑をかけているから五分五分な感じ。素直じゃないけど根はお姉ちゃん想いな良い子。大天使ヨーフィとはライバル関係にあり、お互いを認め合っている仲。
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デイズ(Deyz)
身体は少女、頭脳は大人な破葬神話の美少女担当。こう見えて21歳(第一章登場時は18歳)。弟のバズーとは双子の姉弟。一方が怪我をしたらもう一方も同じ怪我を負うほどに一心同体な繋がりを持つ。
ド天然な弟や我侭な女帝や妙に意地っ張りな兄貴分を常に上手くコントロールしているしっかり者で、決して叶わぬ恋に身を投じる勇敢さをも持っている芯の強い女の子。なんだかんだで弟想いなお姉ちゃん。女帝ルシフェルのことも妹のように想っている。
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アスタロト(Astaroth)
妻ロテと共に魔界の牧場と水産工場を切り盛りし、魔界の食を支えている上級悪魔。牧場では主に発案を担当。一方が怪我をしたらもう一方も同じ怪我を負うほどに一心同体な繋がりを持つ双子の姉アスタロテと神の反対を押し切ってまで結婚。プロポーズしたのは彼から。
なお、本人いわくプロポーズの言葉は今や軽い黒歴史なのだとか。(なにせ恥ずかしすぎるから)
ロテと同じく三大魔王とも親しい間柄。特にレヴァイアとは大の仲良し。バズーとデイズの父親でもある。
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アスタロテ(Astarte)
魔界の牧場と水産工場を切り盛りし、魔界の食を支えている活発な上級貴族の女悪魔。牧場では主に製造を担当。一方が怪我をしたらもう一方も同じ怪我を負うほどに一心同体な繋がりを持つ双子の弟アスタロトと神の反対を押し切ってまで結婚をした一直線な心の持ち主。
夫がプロポーズの言葉を黒歴史扱いしていることにたびたび本気で怒る。
帝王サタンを平然と『サッちゃん』呼ばわりするほどに三大魔王とも親しい間柄。特にバアルとは大の仲良し。バズーとデイズの母親でもある。
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ライム(Raym)
普段は金色の瞳を持つカラスの姿で活動しているバアル様のペット。飼い主である魔王バアルを『我が君』と呼んで敬い、補佐的な立場を担っている。毎日バアルの遣いとして手紙を運んだり魔界の上空を優雅に飛び回って街の様子を見守るのが彼の役目。
『ペット』とは言うものの、彼は反逆戦争以前からバアルに仕え己の全てを捧げている一途な男ゆえ、カラスの身でありながら街の人々から目上の者として大いに慕われている。
なお、バアルのペットだけあってバアルとレヴァイア以外の者には決して懐かず、言葉を交わすことも滅多にない。
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煙草屋(Tobacconist)
本名で呼ばれるのが大嫌いな破葬神話のヤンキー担当。常にアンニュイな雰囲気を放っている赤毛のお兄さん。自身が経営する煙草店にいつも引き篭もっていて滅多に外出しない面倒くさがり。しかしながら実は相当な男。三大魔王に次ぐ実力者として常に街を守っていたり、破壊神レヴァイアが心を安定させるために吸っている煙草を作れる唯一の存在ゆえ、何気に凄い。
「煙草屋と呼んでくれ」が口癖な彼の本名を知っている者はごく僅か。古くから親しい友人であるバアルとレヴァイアだけが彼を本名で呼んでも許される。
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神(God)
神、または創造主と呼ばれる万物の源たる存在。常に天界の果てにある神殿内部、七色のカーテンの奥に身を潜めているため、その人形のように美しい両性具有の姿を知るものは限られている。
性格は酷く不安定。普段はそよ風のように優しく穏やかな存在だが、その沸点は非常に低いうえ、一度激昂すると手がつけられない。
なお、彼が神や創造主と呼ばれているのは彼自身が自分の本当の名前を決して口にしてはならない世界最大の禁忌としたため。
よって天使たちは敬いの意を込めて彼を神と呼び、悪魔たちは皮肉を込めて彼を神と呼ぶ。「やれやれ、ちゃんと自分の呼び名を統一させないからこんなことになるんですよ」とラファエル談。当人は「別になんでもいいです」と不貞腐れるばかり。
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ラファエル(Raphael)
創造主の信頼を一身に受け、天使と天界の全てを一人で統括している大天使。唯一、両性具無の身体を持った存在でもあり、女とも男ともつかない妖艶な容姿、声、華奢な身体と膝下にまで達する長い髪を持つ。
サタンが神に反旗を翻した際、最古の大天使達の中で唯一神側に回った天使として有名。
戦闘能力は非常に高く、彼を倒せる者は創造主と破壊神以外いないとさえ言われる程。細い腕からは想像も出来ない怪力を持ち、地獄耳の域を超える異常な聴覚はあらゆる音と気配を逃さないという。
ほとんど完璧な存在だが、性格が大いに捻くれているのが玉にキズ。魔王バアルとは特に不仲。
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アザゼル(Azazel)
「恥ずかしい」という理由で出生も素顔も何もかも明かさない破葬神話の覆面&ミステリアス担当の天然気質なお兄さん。本人はもちろん生みの親である神でさえ多くを語らないため、何もかもが謎に包まれている。
そんな有り様ながら上級天使仲間のヨーフィ君とはしっかり仲良し。
偏屈なところもあるらしく、登場時期がダブッてるカインを勝手にライバル視して張り切る場面も多い。
趣味はギター演奏。悪気なく周囲を恐怖のドン底に突き落とす音色を奏でる。
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ヨーフィ(Yofe)
幼く見えるが、実は小さいオッサン。サタンらの反逆戦争後に間もなく誕生したので実は高齢。手薄になった天界の為にと神に丹精込めて創られた天使。だが作り方に手違いがあったのか、いつまで経っても子供のまま。
自分の親代わりであるラファエルを心から慕い、何かにつけては「ラファ兄~」と調子の良い声を出しては引っ付き頼って甘えている。それもこれも頼れる存在がラファエル一人しか存在しない為。
バズーとデイズの両親、ロテとロトを殺害した張本人。ゆえにバズー&デイズとは因縁が深い。
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カオス(Chaos)
突如ルシフェルたちの前に現れた正体不明の男。悪魔とも天使とも判断つかない容姿に加え、何を聞いても「僕をどう思うかはキミ次第だよ。僕はただ、僕であるだけ」といった調子で本人がのらりくらりと答えを誤魔化すせいで出生なども全て謎に包まれている。もちろんルシフェルの前に現れた理由も目的も謎。問いただそうとしても「なんとなくだよ、ハハハッ!」と笑って誤魔化すばかり。取り付く島もない。
不信な部分ばかり目立つがルシフェルを何故か気に入っており、彼女を見つめる眼差しは嘘偽りなく温かい。
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ミカエル(Michael)
創造主との間に12人の息子がいる子沢山。現ミカエルもその一人。レヴァイアのライバルであり、死してなお存在感を発揮している男。
ツンデレな悪ガキ気質で言動はとことん粗暴。破壊神レヴァイアに臆さなかっただけあって恐れ知らずでもあった。一人称は『俺様』。けれど根は優しく不思議なカリスマ性もあり、何事にも愚直だったことから多くの天使に慕われていた。
神からは「忌まわしき破壊神に挑んだ勇敢なる天使」として今も称えられている。
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ジブリール(Gabriel)
天地創造時、水と共に生まれた伝説の女神。この世界に誕生した初めての女性。神でさえ敵わない程の美しい容姿を持ち、その透き通る歌声でこの世の生きとし生けるものを癒したと言い伝えられている。
誰もが彼女を愛した。しかし天地創造から十数年後、彼女は忽然と姿を消してしまう。その行方や生死は未だに分かっていない。
行方不明となって以降、彼女の名は歴史から抹消され、今やその名を口にすることは神の名を呼ぶに次ぐ大きな禁忌とされた。もちろんその理由さえも語ることは許されない。