Character
Gabriel
-
ジブリール
Gabriel …… 「神は我が力」の意
- 愛称
- ジブ|ジブリン
- 異名
- 女神|今は亡き伝説の女神
- 年齢
- 天地創造時に生誕(外見年齢17歳)
- 性別
- 女
- 身長
- 157cm
- 髪色
- 金
- 眼球
- 金
- 装飾
- ゴールド|ローズクォーツ
- 血縁
- 生みの親:神 弟:バアル 妹:ラファエル
- 種族
- 天使
- 地位
- 最上級天使
- 武器
- 水属性魔法
- 彼氏
- レヴァイア「て、照れるぜ……」
人物像
天地創造時、水と共に生まれた伝説の女神。この世界に誕生した初めての女性であり言い伝えによれば彼女は神でさえ敵わない程の美しい容姿を持ち、その透き通る歌声でこの世の生きとし生けるものを癒したという。しかし天地創造から十数年後、彼女は忽然と姿を消しそのまま行方不明となった。その生死は遥か時の過ぎた現在でも分かっていない。
行方不明となって以降、彼女の名は歴史から抹消され今やその名を口にすることは神の名を呼ぶに次ぐ大きな禁忌とされている。名前すら口に出来ない理由についても語ることは決して許されない。ゆえに現在、実際の彼女の姿を知る者は天地創造の過程をその目に見て今もなお生存している極一握の者だけ。
にもかかわらず名前こそ出ないものの『伝説の女神』として今も彼女の存在が人々に知られているのは彼女が涙した時に降るとされる風変わりな雨が原因。その風変わりな雨とは時折魔界に降り注ぐ『血の雨』のこと。これは破壊神レヴァイアが悲痛な獣の咆哮を上げると決まって降る雨であり、今も何処かで彼を見守っている女神ジブリールが彼の姿に心を痛めて涙を流しこの真っ赤な『血の雨』を魔界全体に降らせているのだと言われている。
そんな言い伝えがあるほどなので遥か昔に彼女とレヴァイアがちょっとした仲だったという説は有名。しかしこれも禁忌とまではいかないが人々の暗黙の了解で口に出してはならない話と決められている。現に魔界の子供たちは幼い頃「レヴァ様の前で女神様の話をしちゃ絶対にダメだよ、レヴァ様が悲しむから」と必ず親から教わるらしい。で、この教えはレヴァイア怖さにしっかり守られる。
作者用メモを兼ねた備考
★かつて破葬神話一の美貌を誇った少女であり、彼女の美しさに心奪われた者は数知れず。創造主ですら彼女の美しさには酷く心を乱されたほど。しかしジブリール本人は生涯ただ一人の男しか愛さなかった。これが後に世界を揺るがせる事態を引き起こす。そしてジブリールは忽然と姿を消した。神に迫られようと己の貞操を貫き通したという罪のみを残して。
★生を受けて間もなく目の前に広がっていた闇の塊でしかない破壊神レヴァイアに心奪われ、周囲の心配をよそに猛烈なアプローチを続けた変わり者である。なにせ相手は一大陸以上の大きさを誇る巨体の持ち主、近付いて触れることすら叶わない。しかしジブリールは一途に焦がれ続けた。おかげでレヴァイアは「なんで俺なの!?」と戸惑いながらも化け物である自分に心許して人懐っこく接してくるジブリールの存在に救われ、自我を保つことが出来た。
★レヴァイアの自我が崩壊していたら世界の存続が早々に危ぶまれていたかも分からない。それを思えば後に世界を揺るがす事態を招いたことを考えても結果的にジブリールの功績は大きい。現に彼女の行動を責める者はごく僅かである。
★ジブリールが絶世の美女として生を受けた理由:あくまで仮説だが『神々の慰み者となるべくして生を受けたため』と言われている。
★本人も己の定めを察して苦悩した過去がある。が、サタンに言わせれば「言っとくけどジブはマジで顔しか可愛くなかったぞ……! 女神とは名ばかりだよホント」とのこと。身体はともかく中身はどう足掻いても慰み者に徹するようになど出来ていなかったらしい。
★本当に顔しか可愛くなかったと親しい者は口を揃える
★絶世の美女ながら彼女の身体には唯一ともいえる特徴が二つあった。一つはバアルと同じく本来なら背中にあるべき羽が耳あるべき場所に位置していること。もう一つは女神とはいえ正式には『両性具有』の身体を持っていることである。ジブリールはラファエルとは対照的に全ての性器を下腹部に備えていた。
★レヴァイアと親しくしていたことに加え本人の強気な性格も災いして一部の天使たちとは大変不仲であった。特にミカエル(初代)とは犬猿の仲。何かと突っかかってくる彼の存在をジブリールは「うるさい脳筋野郎だ!」といつも鬱陶しく感じていた。
★小柄な身体に偽りなく上級天使でありながら力はあまり強くなかった。水を操る能力には長けていたが、それでも周りの男性陣やラファエルには及ばぬレベル。しかし不思議と彼女には強者たる風格があったという。また、出来ないことなどないのではないかと言われるほどにあらゆる面で器用。特に歌の上手さに関しては右に出る者などいなかった。だが彼女の歌声は何処か物悲しさを感じさせるものだったと伝えられている。
★ジブリールは人知れず泣くことを許されない定めを負って生まれてきた。彼女の涙は必ず雨を呼ぶ。彼女が激しく泣けば泣くほど雨脚も激しくなる。ゆえに天使たちは雨が降るたび女神を案じて心を痛めた。やがて彼女の降らす雨はある日を境に澄んだ水のものではなく恵みの欠片もない真っ赤な血、のちに「血の雨」と称されるものへと変わる。
★天地創造後レヴァイアが神の身体に封じられてからは酷く意気消沈。その影響からか外出の際は目深に厚手のベールを被って顔の半分を隠すようになり、お転婆ぶりも影を潜めた。
★なお、レヴァイアが封じられた日からジブリールは7日7晩泣き続け、彼女が降らせた雨により天界には大きな湖が出来た。
★レヴァイア「それにしてもジブの備考は俺の話ばっかりだね」
★女神という称号を強制的に与えられ淑女のイメージを押し付けられることを嫌悪していた。「私は私であって貴方が理想とする女神ではない」「偶像を押し付けるのはやめろ」と声を荒らげることもあった。逆に言えばそれだけ確固たる自分を持っていた女性だったといえる。
★とにかく恋愛事となると積極的かつ行動的。神に封じられていたレヴァイアが少年の身体を得て戻ってきた際など即座に確保し自分の家へ問答無用に住まわせたのが良い例。以後、青年として成長したレヴァイアが「そろそろ同棲はマズイんじゃないか」と訴えても無視。じゃあせめてベッドは別にしようと提案されても無視。離れることを一切認めず、挙げ句には「なんでそんなに私と離れたいのさ! 酷い!」と号泣して天界全域をびしょ濡れにした。二人が交際を明言していなかった頃の出来事である。
★ジブリールの存在は破葬神話の世界における『バレンタインデー』の元ネタにもなった。
以下、ネタバレ要素を含む備考
★ジブリール、バアル、ラファエルの関係について
★ジブリール、バアル、ラファエルは天地創造時に生まれた三つ子の姉弟……しかしそれは後に改ざんされた偽りの歴史。真実は違う。正式にはジブリールとラファエルが双子の姉妹であり、バアルの存在はそこにない。
★ラファエルとの関係について
★ラファエルとは嘘偽りなく正式な双子の姉妹。神曰く「お互いがお互いの持っていないものを持っている関係」とのこと。二人の両性具有と両性具無の身体がその最たる例。逆にそれ以外はなんのすれ違いもない。
★何をするにもお互い器用であり姉妹仲も基本的には良好。ラファエルはワガママな姉を献身的に支えていた。ジブリールもまたお節介な妹の存在を表向きは迷惑がりながらも嬉しく思っていたようだ。しかし姉妹の良好な関係はジブリールが行き先も告げず行方不明となったことで途切れた。
★バアルとの関係について
★率直に言えばジブリールとバアルは同一人物である。決して姉弟ではない。ジブリールがとある出来事をきっかけに己の女性器を全て取り除き男として生まれ変わった結果がバアルの存在であるからしてバアルがジブリールの弟という話は嘘偽り。つまりバアルが時折「ジブリールは死んだ、もう何処にもいない」と語るのは『自分の中に女の部分はもう存在しない』という意味。
★なお、ジブリール=バアルという事実は天地創造をその目に見た数少ない者だけが知っていることであり、暴露することは暗黙の了解で絶対のタブーとされている。
★自分のせいで世界の混乱が増したこと、レヴァイアとの間に子供を授かることが叶わなかったこと、己の女心がレヴァイアを酷く傷付けたこと、色々な事情が重なってジブリールは女を棄てる決断をしてしまった。
★なお、彼女の身体を改造したのは他ならぬレヴァイアである。破壊神である彼は人体の構造に精通していたためジブリールの女部分だけを見事に破壊してみせた。
★ただし、愛する女の腹を開いた経験は未だに彼を苦しめている。
★のちにバアルは「私は女でいることに耐えられなかった」とリリスに語っている。
★ラファエルは「私には姉はいても兄はいない」としてバアルを当初激しく拒絶した。だがそれは愛情の裏返し。未だ咄嗟にバアルを「姉さん」と呼ぶあたりラファエルがどれほど姉を慕っていたかが窺える。
★ジブリールは死んだと言いながらも未だレヴァイアが破壊神の力を暴走させるたび血の涙を流していることから周囲は静かにお察し状態。
★レヴァイアとの関係について
★そもそも神に目をつけられているジブリールは神をも凌ぐ巨大な力を有しているレヴァイアの側でなければ自由に生きられない身。それも考慮してレヴァイアはジブリールに尽きることのない深い愛情と加護を授けた。これによりジブリールは己の何もかもをレヴァイアに託し彼が望む限り彼と共に永劫この世界を生きる者となった。つまり正式に表明してこそいないが二人は婚姻を結んだも同然の関係、一心同体の『事実婚』状態にある。
★ジブリールがジブリールとしての存在を失った後もこの強力な加護は続いている。理由は静かにお察しするべし。
★とどのつまり何があってもずっと仲良し、人騒がせなバカップルと言えます。