用語集【さ】
酒
飲むと楽しい気分になっちゃう魔法の水。悪魔はみんなこれが大好き。文字通り水代わりに毎日ガブ飲みしています。
三大魔王
かつて筆頭に立って神へ反逆した元・最上級天使サタン、バアル、レヴァイアの三人を指す名称。悪魔の中でも特に秀でた力と知恵を誇り、今も反逆の中心的存在として指揮を取る。一人は希望の概念を背負い、一人は絶望の概念を背負い、一人はその二つの概念をまとめ上げる役割を持つ。心技体のバランスはバッチリ。ゆえに三人とっても仲良し。
ちなみに悪魔たちにリーダーとして崇められているサタンは「帝王」、実質的な魔界の頭領であるバアルは「王」、三人の中で最も自由人なレヴァイアは「レヴァ様」「魔王様」の呼び名で魔界では親しまれている。
三人の神
この世界の理を司る希望の神サタンと創造主と破壊神レヴァイアを指しての総称。彼らの存在が無ければこの世界は機能しない。
破葬神話本編より:
『この世界には三人の神がいる。生まれながらに一人は羨望の眼差しを一手に引き受ける重圧を背負い、一人は産みの苦しみを味わい続ける義務を背負い、一人はこの世にある負の全てを受け止める悲しみを背負った。全てはこの世界を成り立たせるために必要だったことだ』
死
生の終わり。身体が機能を失い、魂がこの世界に留まれなくなること。
自死
禁忌の一つ。神の強力な加護によって固く禁じられている行為。この強く一方的な加護はもはや加護というよりも呪いに近い。ゆえにこの世界における自殺は神から殆ど加護を受けていなかった『人間』だけが出来た。天使と悪魔にはどう足掻いても出来ない行動ゆえ、どうしても死にたい場合において彼らは破壊神レヴァイアに縋って「お願いします」と頭を下げ殺してもらうことで身体を棄てる。
なぜ禁忌か:
それは神自身がどう足掻いても出来ない行為だから。
時代名称
破葬神話の歴史は創造主が目を覚ました瞬間を紀元とした年紀法でもって時代名称は「天地創造期」から始まり、天地が安定しレヴァイアが封印された後の時期を「天地創造後」または「反乱戦争前」、そして「反乱戦争後」「人間界誕生前」「人間界誕生後」「牢獄誕生」と続いていきます。世界の形が変わるほどの大きな出来事を境にしているようです。
十二人の息子
創造主とミカエルの間に生まれた現ミカエルを含むマルキダエル、アスモデル、アムブリエル、ムリエル、ウェルキエル、ハマリエル、ズリエル、バルビエル、アドナキエル、ガムビエル、バキエルの12人を指しての言葉。全員父親似で水色の髪に水色の瞳を有し上級天使としての屈強な精神と強靭な力を誇っている。現ミカエル以外は創造主の命令に忠実で真面目な性格をしていた模様。
創作余談:
黄道十二宮の天使が彼らの名の由来です。ですが破葬神話ではただ一人例外として黄道十二宮の天使ハナエルの代わりに本来なら含まれていないミカエルが名を連ねています。ハナエルの階級は『罪無き者(イノセント)』なのでハナエルを除外することで「この12人の中に罪無き者はいない」という意味を込めました。
城
破葬神話で城と言えば魔界に建つ魔王の城を指す。北にバアル、南にサタンの城が(現ルシフェルの城)木々の生い茂る切り立った高台の上に街を挟んで建っている。これは街の住人を常に見守れるようにとの気持ちから。実際に住人たちはいつでも顔を上げれば雄々しく建つ巨城が目に入ることに強い安心感を得ているそうだ。
どちらも住人の皆さんが気軽に訪ねることの出来る城です。大まかにご案内します。
サタンの城(現ルシフェルの城):
無骨な城壁に囲まれ見るからに要塞の風格を漂わせている巨城。そんな遠目にも「此処、帝王の城!」と分かる外観に唖然としながら玄関に入ると五階天井まで吹き抜けでもって赤い絨毯の敷かれた圧巻の大階段が出迎えてくれる。
大広間、図書室、大浴場完備。いざとなれば街の住人が暮らせるようにと物凄い部屋数を有している。場内の動力は火力発電。サタンが城の地下に遺した尽きることのない炎の力が今も城内を明るく灯し続けている。
お城なのに謁見の間は設けていない(城の主サタンが「んな部屋を作っても使いそうにないなあ」と言ったため)。代わりに大広間が二階、三階、四階の三ヶ所ある。
ルシフェルの部屋は最上階、カインの部屋はその隣。バズーとデイズはキッチンに近くて便利な三階の部屋に隣り合って居候中。
部屋数が多過ぎるせいでルシフェル自身も城の全てを把握しきれていない。ついでに掃除も行き届いてない。なので月に一度お掃除屋さんにお掃除を頼んでいるそうだ。ただし自分の部屋と母リリスがよく使っていた部屋だけは自力で掃除している。
薔薇の咲き誇る城の中庭にサタンとリリスの墓がある。霊園ではなく城の敷地内に墓を作ったのは「側にいて欲しい」というルシフェルの子供心から。
バアルの城:
高さ面積ともにサタンの城に比べ一回りは大きな巨城。幾つかの塔が空に向かって突き出ていて全体的に丸みを帯びたシルエットをしていることから『妙に可愛らしいデザイン』とよく称される(なお、最も背の高い中央の塔はその先が常に濃い霧に覆われている)。
ただし絵本に出てきそうな見た目とは裏腹にしっかりと要塞の働きも持っているため有事の際は住人たちの避難場所として使用される。それと遊びに来やすい雰囲気ゆえ主要メンバーの溜まり場としてもよく活用されている。
外装通り内装もなかなかに可愛らしく玄関を入るとすぐに丸みの帯びたオブジェや鮮やかなステンドグラスに豪華絢爛なシャンデリアが目に飛び込んでくる。吹き抜けの天井からステンドグラス越しに差し込む光の美しさたるや上手く言葉に表現することは難しいほどだとか。
一階には図書室やローマ式の大浴場などが完備されている模様。そして玄関正面の大きな螺旋階段を登った先にバアルがいつも国政の仕事を行っている玉座の置かれた謁見の間があり、更に上ると仲間内でよく使っている大広間がある。
しっかりと手入れの行き届いた広大な裏庭には鮮やかな花々が咲き誇り沢山の木々が生い茂っている。バアルにペットとして飼われているライムや多くのカラスが住まいとしていることでも有名。居候のミカエルが一番気に入っている場所でもある。
ミカエルが居候している部屋は二階の裏庭側。
城の動力は水力発電と風力発電。
「三階から先へは行っちゃダメですよ」と魔王バアルは笑顔で語る。ただしその目はよく見るときっと笑っていないのだろう。この城で誰もが訪ねることの出来る場所は三階まで。その先は城の主二人の私的な領域であり「侵入は許さないよ」と言わんばかりの下手な迷路より難解な入り組んだ構造になっていて全ての扉に鍵が掛かっている。中には始めから入り口ドアの無い部屋まである。
そもそも四階へ続く階段を見つけることすら難解だったりする:
ならば羽を広げて飛んで外から侵入すればいいと思ったら大間違い。城の敷地内で羽を広げようものなら城の主二人が必ず気付いて「何事か?」と様子を見に来る。その先は言わずもがな。
うっかり迷い込んだことのあるルシフェル曰く温厚な城の主二人の雰囲気からはとても想像出来ないほど無言の圧力に満ちた作りなのだとか。「何もここまでしなくても……」と二人と親しい間柄のルシフェルが思わず青褪めたくらいである、無理な侵入を試みた者は今の今まで一人もいない。
ちなみに迷い込んだルシフェルは迷いに迷って戻ることも出来なくなり半ベソかいていたとこをレヴァイアに助けられた。で、「んっもう言わんこっちゃな~い、此処には近付くなっていつも言ってるだろ」とやんわり釘を差されたそうな。
まさか誰かが侵入する日など来るわけないと油断していたバアルとレヴァイアはその日をキッカケに四階へ続く階段入口に結界を張っておくようになった。
ちなみに母リリスも何度かこの城では迷子になりサタンやレヴァイアに助けられている。
城で最も高く常に霧で覆われている塔の最上階にはバアルとレヴァイアの私室がある。濃い霧に覆われているだけあって外から様子を窺うことはほぼ不可能。周囲には結界も張られており許可の無い者は何をしようが近付けない。
バアルの私室について:
城の最上階、細かな装飾の施された黄金の扉の向こうが彼の部屋。広々とした室内には正に豪華絢爛といった趣の金と紫を基調とした家具がキッチリと配置され、装飾鮮やかな天井には大きな大きなシャンデリアがあり、ドレッサーの上には沢山の化粧品と指輪などの宝石が無防備に並んでいる。私用のバス・トイレも完備。部屋に入って正面には街を一望できる大きなバルコニー(レヴァイアが造った……というかバアルに無理やり造らされたもの)もある。
レヴァイアの私室について:
城の最上階、バアルの部屋の隣にある漆黒に塗り潰された大きな扉の向こうが彼の部屋。室内にはモノトーンで統一された家具と如何にも若く活発な男が住んでますよといった感じの派手なアイテムや趣味の物が溢れている。中でも一番に目を引くのはキングサイズのベッドと棚にインテリアとして綺麗に並んでいる沢山の酒瓶。もちろん私用のバス・トイレも完備。荒れ地を一望できる大きなバルコニーもある。
生
身体を得てこの世界に留まること。
聖剣
神の加護を受けた剣は全部こう呼ばれている。ゆえにヨーフィの持ってる剣も中級天使が持っている剣も下級天使が持っている剣も全て立派な聖剣。悪魔に対して振るうと絶大な効果を発揮する。(備考:アザゼルとミカエルの剣は聖剣ではないらしい)
聖槍(セイソウ)
神が大天使ラファエルに授けた金色に輝く槍。長さは約2.5mほど。神の加護を強く受けた対悪魔用の武器ゆえ、いつからか聖槍と呼ばれるようになった。悪魔はこの槍に触れただけで肉が激しく焼け爛れ、一突きされれば確実に深い傷を負う。神がどれほど悪魔たちを憎んでいるかがよく分かる仕様である。
世界
創造主の手が届く範囲のこと。創造主にとってはひとつの家、子供たちにとっては己の全てである場所。
そう、天地創造を経て数千年後に神はポツリと溢した。「この世界はあまりにも狭い。この狭い空間が私の知る全てであることに時折どうにもならない虚しさを覚える」と。
対して希望の神は言った「当たり前だ、この世界の狭さはお前の心の狭さ。お前がこれ以上先までは手が届かないと判断したところで天地は途切れている。お前の心が無限に広ければこの世界も無限に広がったはずだ」と。
「お前は世界が広くなり過ぎることを恐れたんだ。もしお前が何処までも恐れずに手を伸ばすことが出来ていたらレヴァイアも窮屈な思いをしなくて済んだ」と。
「思い出せ創造主。お前が世界を狭く作ったのはいつもいつでも必ず子供たちをその視界に入れて見守れるようにという純粋な気持ちからだったはず――」
創造主
御存知この星の物質を司る神のこと。どうしたことか御本人が自分の名を口にすることを世界最大の禁忌としてしまった為に正式な呼び名がない。天使は彼を『神』と呼び、悪魔たちは『創造主』と呼ぶのが一般的な様子。理由は彼を『神』と呼びたくない反抗心から。